働きたくても働けない状態ってどういうことなんでしょうか?
これはもう、体感したことのある人しか分からない感覚だと思います。
この状態になった時の自分自身の経験から、なぜこの状況になるのかを自分なりに紐解いてみました。

「突然、周りの人がこう言い出しちゃった…」という方の理解の助けにもなるかもしれません。
「働きたいのに働けない」ってどういう状態?
まず誤解、そして呪いをここで解いてしまいましょう。
それは、働かないことは決して「甘えや怠けでは無い」こと。
働けない=甘えている?怠けている?
わたし自身が働けなくなった時に「いや、これは甘えなんかじゃない!」と考えをセーブできたのは友人の存在があったからだと思っています。
わたしの友人でいきなり鬱になった男性がいました。その方は、かなり仕事のできる営業マンで、仕事も順調、奥さんとの間にお子さんを授かり、その地域では有名なタワーマンションに引っ越したばかりでした。
彼は平日の朝、いつも通り出勤する為に家を出ようと玄関へ向かったところで気を失いました。そこから色々と身体の検査を受けましたが異常は無く、最終的に駆け込んだ精神科でうつ病と診断されたのです。
※既に彼はうつ病と上手く付き合うことができており、今は仕事をしています。
外から見えない「働けなさ」の正体
はたして彼は甘えていたでしょうか?怠けていたでしょうか?
彼はとても明るくて皆を引っ張るリーダー的な存在でした。そんな彼でも「働きたくても働けない」状態に陥ってしまうことがあったのです。
わたしは、毎日頑張っていた人がいきなり働けなくなる原因は、自分の中にフタをしていた感情にあると思います。
「これをやるのが当然なんだ」「あれくらいできないと意味がない」など考えることによって、ある日その思いが何らかの形で爆発してしまう。そして気付いたら立ちすくんでいる自分がそこにはいるのです。

いつ感情が爆発してしまうかは人次第。どんな人でも起こる可能性があります。
結論:働けない今は自分自身と戦っている時間
もどかしい気持ちが先行する日々には必ず終わりが来ます。ただその道のりにいる間はもう先が見えなくてただただ辛く沈んだ気持ちになってしまうのは仕方のないことですし、わたしもその道のりに帰ってきてしまう日があります。
外見からは何も変わらないかもしれないけれど、心の中では目まぐるしい勢いで変化が起こっている。その変化に心を通わせて、追い付いていく戦いの時間だと思っています。
「働けない自分」を責めてしまう心理とその対処
周りと比較した時に感じる情けなさ
これはあくまでわたしの経験談ですが、「あの人も頑張っている。なのに自分はなんでこんなことでしんどくなってしまうんだろう?」そんな「情けなさ」や「やるせなさ」に心が支配されていき、だんだんと働けない自分を責めてしまいました。
比較することを無理に止めようとしない
わたしは比較することを無理に止めようとはしませんでした。ただし、もし何か外部からの刺激(SNS等)を必要以上に受け取っているなと感じたら見ないように心がけていました。
また、働けない時期は時間だけが過ぎていくことに焦りを感じていましたが、これも必要な時間なんだなとどうにかして自分に言い聞かし、色々と自分の感情を整理する時間に充てることにしました。
働けない時期にできること、考えたいこと
あの時、どう思ってた?を自分に問いかける
突然会社に行けなくなってしまった時。その前のどこかで心を壊してしまった時。
なんとなく自分の心が何かしらのタイミングで傷ついてしまったことを事実として受け止めることにしました。
そして、ここから先は自分と向き合う時間です。「あの時、本当はどう思っていたの」「苦しかったね、頑張ったね」「今は無理に歩かずにゆっくり過ごそう」
わたしは本音を聞いてもらえなかった自分自身の気持ちが徐々に出てきた時にはスマホのメモに残していました。次の日になるとまた見方が変わっていたりするからです。気持ちを吐き出してあげることでまた新しい視点から物事を見ようとするので、結果的にそれは一歩ずつ歩き出していることに繋がっていきます。
本当に自分が大切にしたいことを考える
自分が大切にしておきたいことはなんだろう?そう考える時間って意外と社会人になると無かったりするので、ぜひこの機会に考えていただきたいです。
見つけたなら、大切にしたいものを守れる自分になるにはどうすればいいかを考えてみます。
まだ見つけられていないのであれば、自分が体験したことのない様々なことを想像してみましょう。その時は「いや、自分はあんまり頭が良くないから」「わたしは運動音痴だから」などは一旦置いておきます。
できるかどうか、ではなく自分が大切にしたいことややりたいことを自由に思い描く。そこに常識などのフィルターを被せて、これからの自分に期待を持たせていくのが自己実現の第一歩だと思います。


